2026.03.02
フィラリア予防について
1.フィラリア(犬糸状虫)とは?
フィラリアは心臓に寄生する糸状(そうめん状)の細長い形の寄生虫で、成虫の雌で約28㎝、雄で約17㎝にもなります。また、蚊が媒介するという特徴があります。
フィラリア症は犬糸状虫(フィラリア)が心臓や肺動脈に寄生することで引き起こされる疾患で、心臓や肺に大きな負担を与えます。一度かかってしまうと治療は難しく、後遺症が残るため「かからないように予防する」ことが何より大切です。
2.フィラリアの感染サイクル
| 1. 蚊が感染犬を吸血時に、ミクロフィラリア(フィラリアの幼虫)も一緒に蚊の体内へ | |
| 2. 蚊の体内でミクロフィラリアが感染幼虫へと成長 | |
| 3. 他の犬を吸血時に、刺し口の皮膚から感染幼虫が侵入 | |
| 4. 侵入後皮下や脂肪組織で成長し、やがて血管に侵入 | |
| 5. 心臓や肺動脈に成虫が寄生 | |
| 6. 成虫がミクロフィラリアを産出し、全身へ運ばれ感染犬となる |
1~6のサイクルを繰り返すことでフィラリア感染が広がっていきます。
3.フィラリア症の症状
フィラリア症の症状には、次にあげるようなものがあります。
- 咳が出る
- 食欲不振
- 運動不耐性(すぐに疲れる、あまり動かない)
- 腹水(お腹に水がたまる)
- 体重減少
- 呼吸困難
- 尿が赤っぽい
- 失神
軽症では症状をあまり示さず、時々咳をするようになる程度のことが多いです。そのためこれらの症状が現れた時点では、すでにフィラリア症が進行している可能性があります。また、急性犬糸状虫症(大静脈症候群)により死に至るケースもあります。
4. フィラリア予防について
命に関わる怖い寄生虫関連疾患ですが、年に1度の検査と適切な予防(駆虫)で防ぐことができます。フィラリア予防薬は、体内に入ったフィラリアを幼虫のうち(血管へ侵入する前)に駆除するものです。予防期間は蚊の発生や活動に関連しており、当院では4月~12月を予防期間としています。12月になると気温も下がり蚊をあまり見かけなくなりますが、蚊の活動終了の1ヵ月後までしっかりと予防することがとても重要です。
(2025年までは5~12月の予防期間でしたが、温暖化に伴い蚊の発生が早まっていることから2026年より予防期間が4~12月へ変更になりました。)
5. 予防の流れと予防薬のタイプ
| 1. 年に1度、予防開始前の血液検査 |
| フィラリアに感染した状態で予防を開始してしまうと、虫が一斉に死滅することでショック症状を起こす可能性があり危険です。感染していないことを確認した後、予防を開始します。 |
| 2. 予防薬の選択 |
| ● 食べるタイプ(錠剤・チュアブル) |
| 月に1回、食べるタイプの予防薬です。 錠剤やチュアブルなどの種類があり、フレーバーがついて食べやすく工夫されたものもあります。 フィラリアに加え、一部のお腹の寄生虫やノミ・マダニに効果のあるものもあります。 |
| ● スポットタイプ |
| 月に1回、背中(首の後ろあたり)に垂らすタイプの予防薬です。 |
| ● 注射タイプ |
| 年に1回、注射で予防を行うタイプです。 当院では、在庫に限りがあるため取り扱いを終了している場合がございますのでご了承ください。 |
フィラリアの予防は適切な期間しっかりと予防することが大切です。予防薬のタイプなどご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。













