2025.12.16
猫の避妊手術について
1. 猫の避妊手術とは
全身麻酔下で卵巣、出産歴がある場合は卵巣・子宮の全摘出を行う手術です。避妊手術は、望まない妊娠を避け、性ホルモンに関連した問題行動や疾患のリスクを下げることができます。
猫は交尾により排卵する動物のため、交尾した場合の妊娠確率は100%に近いです。避妊手術をしないと、次々に出産し、数年後には膨大な数に増える可能性もあります。
2. 性ホルモンに関連する問題行動や疾患とは
猫は生後6ヶ月頃から性成熟が始まります。発情して大きな声で鳴いたり、外に出たがるといった問題行動が増え、欲求を満たすことができないことは猫にとって大きなストレスとなり、飼い主様にも大きな負担となります。
また、避妊手術をしていない、もしくは初回発情後に避妊手術をした猫では、乳腺腫瘍の発症率が高いといわれています。猫の全腫瘍の約17%を占めていて、犬とは異なり80%以上が悪性腫瘍です。
乳腺腫瘍は初回発情前の避妊手術により、発症率を大幅に低下させることができます。
そして、問題行動が抑制されることによって、猫や飼い主様の生活の質(QOL)の向上が期待できます。
3. 避妊手術のメリット・デメリット
<メリット>
- 望まれない妊娠を避けることができる
- 性ホルモン関連疾患の予防につながる
- 性ホルモン関連性の行動による負担、ストレスが軽減される
- 交尾で感染する、猫白血病などの性感染症の予防
<デメリット>
- 麻酔下の手術のため、全身麻酔のリスクがある
- ホルモンバランスや代謝の影響で太りやすくなる
- 一度行うと、将来的に繁殖できなくなる
避妊手術には大きなメリットがありますが、デメリットもゼロではありません。メリット・デメリットを正しく把握し、予防医療としての避妊手術をご検討ください。
4. 当院での手術の流れ
| ①診察 |
| 健康状態等の把握のため、一度診察にご来院ください。 |
| ②手術日の予約・注意事項等のご案内 |
| 手術日を決定し、前日の絶食・当日の絶食絶水などについてご説明します。 |
| ③術前の検査・手術 |
| 手術当日は午前9~10時の間にご来院ください。獣医師によりお預かりの後、麻酔前の血液検査を行います。検査結果に問題が無ければお昼に手術を行います。 |
| ④翌日の退院 |
| 安全に配慮し1泊入院での退院です。抜糸は2週間後に行います。 |
来院いただいてのご相談はもちろん、お電話でのご相談も承っていますので、ご不明な点などございましたらお気軽にご相談ください。













